こんにちは。セミリタイア投資家ののぶたです。投資歴は10年以上です。
今回は、権利落ちの前後の株価について徹底解説します。これを読めば権利落ちについてマスターできるように魂を込めて書きますのでお付き合いください!
目次
権利落ちで株価はどうなる?
そうです。権利落ちによって、それまで優待や配当目当てで株を持っていた人が一斉に売りに走るので、株価は下落する傾向にあります。
しかし、どのくらい下落するのか適切に答えられる人は少ないでしょう。
次のグラフは、優待人気株銘柄のうち年2回優待銘柄100銘柄をピックアップし、数か月間にわたって株価を追跡調査した結果です。
権利月初日の株価平均を100としています。上昇相場の年もあれば、下落相場の年もありますので、過去10年の株価の平均を取り、できるだけ相場の影響を少なくしてのデータ分析を試みています。
その結果、権利日直前の株価が高く、権利日をまたいで株価が下落し、また次の権利日を目指して株価が上昇していくサイクルが読み取れました。
権利日近くに注目します。
権利日直前の株価を100とすると、権利日直後の株価は95.74、または107.17→104.91となっています。それぞれ、4.26%、2.26%となっていて、合算すると3.26%平均となりました。
年2回優待銘柄の権利落ちでは、平均3.26%程度株価が下落します。
年一回優待銘柄も同じように検証してみました。
権利日直前の株価を100とすると、権利日直後の株価は98.21、または120.95→119.16となっています。それぞれ、合算すると1.79%平均となりました。
年1回優待銘柄の権利落ちでは、平均1.79%程度株価が下落します。
年2回優待銘柄は、権利日を挟むと3.26%の下落だったのに比べ、年1回優待銘柄は年間1.79%程度に収まっている点に注目です。
年2回優待銘柄は、3.26%の下落が1年に2回あります。これに対して、年一回優待銘柄は一年に一度しか下落が無いにもかかわらず、その下落率は年2回優待銘柄の半分です。
年2回優待銘柄のほうが下げがきついのはなぜでしょう?私の予想としては、年2回優待銘柄の方が短期売買のターゲットにされているからだと思います。
権利落ち下落率まとめ
- 年2回優待銘柄は、権利落ちで3.26%下落する!!しかも年2回!!
- 年1回優待銘柄は、権利落ちで1.79%下落する!!
権利落ちを利用して空売りで儲かるのか?
誰もが一度は考えたことがあるでしょう。
結論から言うと、難しいと言わざるを得ません。
理由① 逆日歩リスクが怖い
次の表は、ランダムに選んだある月の優待人気銘柄の逆日歩を調べたものです。
株価 | 品貸料率 | 逆日歩 |
2861 | 1.5 | 0.05% |
1704 | 20.4 | 3.68% |
1131 | 10.65 | 2.94% |
684 | 16.8 | 7.57% |
870 | 1.05 | 0.36% |
優待人気銘柄は、結構な逆日歩が発生することがわかります。
これもおすすめできません。
そもそも優待人気銘柄の一般信用はクロス取引の猛者たちが狙っているため人気が高く、権利日直前では在庫切れになりやすいです。
15日前くらいなら割と空売りできますが、売り玉の長期保有は危険です。
これは過去データの検証というよりも、経験でわかってくることですが、一見期待値がありそうでも、空売りは一回の負けで過去の利益をすべて失います。空売りで数年勝っていても、マスターした気になると非常に危険です。
理由② 配当金を負担しなければならない
意外と見落としがちですが、権利日で空売りすると配当金を支払わなければなりません。
空売りのリスクを負いつつ、さらに配当金を数%負担するのは割に合わないと言わざるを得ないでしょう。
権利落ち空売りまとめ
私の研究では、優待人気銘柄の逆日歩と配当金払いを合わせると、権利落ちの値下がり率を超えてしまいます。
つまり権利日またぎの空売りの期待値はマイナスです。
- 権利落ち銘柄の空売りはご法度!!
権利落ちを利用して儲かる方法はあるか?
私がおすすめするのは、「優待先回り投資」です。権利落ち後の株価が下落したところを拾って利益につなげていく方法です。詳しいやり方は関連記事を参照してください。




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